R20 FMラジオ

 短波用の受信機と同一サイズで、FM放送(日本の周波数になっていない)とエアバンドを受信できるキットもAliExpressほかで売られている。
(写真の左が対象になるR20)
 組み上げ方などは短波のR10と基本的に同じなので、別なページの方を見て頂きたい。部品を確認して、半田付けして、チェックして電源を投入という手順になる。
 Ver7(基板にシルクで_7と入っている)が対象になる。
 こちらもマニュアルは購入先に要求すると送ってもらえるかと思う。(著作権があるのでココで公開することはしない)

 FMとエアバンドの切り替えはロータリエンコーダのプッシュが割り当てられている。それ以外はR10と同じで、タクトスイッチ(SET)を押してC1が音量、C2とC3は調整用になる。
 FMの周波数が88.0M-108.0Mになっているため、補完放送など高い周波数が使われている放送以外は受信できない。
 またエアバンドは簡易SGからの信号が受信できることは確認できたが、実際の航空機あるいは飛行場からの信号を聞くことが現時点ではできていない。
 部品リストだと3.5Tになっているが、写真、実物は5.5TだったL2、L3の影響を疑ったが、回路図から使われているのはFM放送用なので影響しないことが判明した。
 ちゃんとしたSGが使えれば感度を測定してみるところだが、持っていないのでココまでになる。

 R10と回路を比較しても大きな差がなく、制御/表示の基板は同じものなことが分かった。このためソフトで表示する周波数と、ローカルとして発振させる周波数が違うキットかと思う。
 ただ、ここで良く分からないのがWFMとAMが同じ回路で受信できていることである。復調回路はTA7613というAM/FMラジオ用のICしかないのだが、これといった切り替えが行われておらず、AMモードになっていそうな点。

 FMラジオとして使おうとした際に周波数範囲が狭い件について、改善できないか検討してみたが、RXCLKとして制御基板からローカルが来ている構造になっている。
 残念ながらソフトウェアは公開されていないようだが、この基板の構成を確認してみた。
 制御はSTC MicroのSTC8Hという8051進化版なCPUが行なっていて、周波数はシリアル入力のLED表示ICを使っている。そしてローカルはI2C制御のクロックジェネレータなことから、もしソフトウェアを変えられたら容易に日本の放送バンドに対応できそうではある。

 使われている部品の詳細は以下となるが、基板のバージョンによって異なる可能性はある。(シルク_4)
STC Micro STC8H1K17-36I-TSSOP20 STC8Hシリーズマイコン 8051
https://www.stcmicro.com/stc/stc8h1k08.html
Hangzhou Ruimeng Technology MS5351M I2C プログラマブル任意周波数 CMOS クロック ジェネレーター
http://www.relmon.com/en/mobile/index.php/list/detail/347.html
Shenzhen Titan Micro Elec TM1620 LED駆動制御専用回路 Serial interface (CLK, STB, DIN)
http://www.titanmec.com/product/display-drivers/led-panel-display-driver-chip/2022081780.html
 クロックジェネレータはQRP labsに書き込みがあるので、探すことで元にできそうなソフトは入手できるかもしれない。
https://www.qrp-labs.com/synth/ms5351m.html